信じること：自分との約束を守れる人

Do you trust me?

 娘たちが小学生の低学年だったころはまだ塾には行ってなくて、金曜日の夜にたまに“Girls’ Night”と称して映画を観ていました。この日だけは明日に備えて早く寝る必要もないので、遅くまで起きて、お風呂の後の歯ブラシも延長可として（アイスや他お菓子を食べるのでね）特別感満載でイベント的に「今晩はガールズナイトやるよ～」という感じで開催。当時外資証券会社に勤務していた私は、普段、ほとんどデスクランチで残業を極力抑えいましたが、今晩はGirls Nightをする！という確固たる覚悟で朝から構えて、デスクランチどころかノーランチで突っ走って仕事して、特別感の演出に特別に成城石井で買い物したりもしていました。そう、私の楽しみでもあったのです。普段ぎりぎりで詰めて生活しているなかで、たまーにほんの少しの贅沢をすることを許していました。贅沢と言ってもかわいらしいものでハーゲンダッツやTim Tamってところ。映画はというとなぜか決まって「アラジン」。二人とも大好きでした。

アラジンがジャスミンに手を差し伸べて魔法のじゅうたんに誘うシーン、’Do you trust me?'「僕を信じて」と字幕が出ていました。じゅうたんの安全性を疑うジャスミンにアラジンが大丈夫僕を信じてと手を差し伸べて絨毯に乗り込むシーンです。食い入るように二人とも見ていましたね。何度も何度も観るので、特に上の娘は所々のセリフを覚えていて，”おーきたー、このシーン！！”という感じで、シーンといっしょに口ずさんでいました。彼女が今、英語でのコミュニケーションがスムースになっているのは、こうした経験も少しは貢献しているもかもしれません。

ジャスミンは一瞬’大丈夫かしら…’という表情をしますが、差し出したアラジンの手を握って魔法のじゅうたんに乗車するわけです。「やった～！」というほほえみが娘たちの顔を覆っているのを確認できるのが、至福の時でしたね、当時の私にとって。

話を元に戻しますと、信じて飛び込むことには勇気と覚悟が必要とされることでもあります。「起こるかもしれないことを恐れてびくびくしながら無関心でいるより、半分は良くない結果に終わっても、いさぎよく大胆になって冒険をおかすほうがいい。」といったのはヘロドトス。

ジャスミンの決断もそうだったのでしょう。それでも若いときはやり直すチャンスと時間が目前にたくさんあるという感覚と若さという眩しいくらい力強い、根拠のないエネルギーで支えられていたものの、歳を重ねて経験を踏んで、不条理もそこそこ乗り越えてくると、簡単には信じられなくなります。信じて駄目だったことの経験も重ねるという背景もあり、自分に見切りをつける諦めもあり、安全圏に留まっていようという守りの姿勢があり、他にも人生を長く生きてきた分からの学習というか学んでしまったこともあるでしょう。

自分を信じれなくなるという境地に陥るわけです。

自分との約束をもまれる人

The real secret to a life of abundane is to stop spending your days searching for security and to start spending your time pursuing opportunity.

このプレーズを出会った時は自分がsearching for securityの姿勢で固まっているのを自覚させられました。将来の不安をかき消すのに安全策ばかり考えたり、ただただ不安になったり、明るいことが考えられなかったり、とにかくいい方向には気分が行かないことで、軽く落ち込むか逃げる（=どうせ私は...という逃げと考える取り組みを辞める逃げ）ことで避けています。

pursuing opportunity. そう、人生を謳歌する機会を追求する姿勢を取り戻したく思いました。自分を信じてあげられるのは自分しかないという根本に戻ろうと思います。そこで自分との約束をもう一度思い出してみようと思います。

何をしたいのか、置き去りにしてきたこと、諦めてきたことも含めて自分を振り返ろうという気持ちが少し湧いてきました。

空を見るのが好きで、空のいろいろな表情が好きですが、今朝はこんな感じでした。

ラジオ体操がおわって人がひけた運動場で愛犬と少しボール投げして振り返った時に朝日がキラキラして雲が広がっている感じに幾分心が晴れました。屈託なく力強く広がっている雲！　今日もたおやかに　今日こそやろうとしていることに手を付けようとひっそり誓いました。