Candygrace

Life is beautiful whatever comes.

Pain is there to tell us something. 痛みは何かを知らせるため....

ママ...お腹痛い。

夜11時過ぎに下の娘から電話がありました。「お腹の痛さがフツーではないの。息ができないくらい痛くなって、どこがいたのかもわからない....」息できないって、今電話で比較的キチンとこう話しできている、どこが痛いかって、少なくともお腹だから...胃じゃない、冷静に彼女の話を聞いていましたけど、やはり何かあったらと心はざわついていました。
「生理痛の可能性はある?痛いってどんな風に痛いの? 痛みは我慢する必要ないから、耐えられないようなら救急に行こう、ママついていくよ。」
「イブがあったから飲んだけど収まらなくて、でもママと話してたら少し痛みが引いたかも....11時半まで様子見る。痛みが戻って耐えられなかったら....」
そこまで娘が言ったのを聞いてから、かぶさるように言いました。
「手遅れになる前に病院に行こう、救急車を呼ぶことも出来る、痛さによっては。急性盲腸だったら破裂する前に.....」
彼女を怖がらせると、言った後に急に後悔し出したりもしましたが、痛さをこらえて急性盲腸だったのを放置したため、臓器が破裂して取り返しのつかないことになった話を思い出して、その恐れの方が勝ったわけです。
「救急車を呼ぶことに、そう抵抗をおぼえなくてもいいさ、本当に息もできないくらい痛くなったら連絡して、ママが呼ぶよ。」
片方の手で携帯で話しつつ、もう片方の手でPCを開いて近隣の救急対応病院をサーチしました。タクシーでまずここから徒歩20分ほどのところにボーイフレンドと住んでいる下娘のところに行って一番近くの救急病院に行こうと考えました。
「今からそっちに行くから病院にいこう。ママタクシーで行く。」
「痛みが引いてるから、もう少し様子見る、あ~~~痛みが引いてる、でもさっきは本当に痛くて、こんなの初めてだから....11時半まで様子見る。」
きっぱりそう言い切った娘に説得されるような形で同意し、痛くなったらすぐに電話をするように、痛みをこれ以上我慢する必要はない、ママが一緒に病院にいく、タクシーにしても救急車呼ぶにしても...そう伝えて取り合えず、電話を切りました。

夜中の02:00くらいまで起きていましたが、その後大丈夫のようだと明日の仕事に備えなきゃと寝ました。朝,大丈夫かのラインを送って大丈夫のようだと確認してほっとしましたけど、慢性盲腸だったら痛みはまた戻ってくる可能性もあるわけで、本日必ず病院に行くこと、症状をきちんと時系列的に説明すること、そう言って、時間外診療の病院の情報も伝えました。彼女の方でも調べていたようで、○○病院に午後、時間外でかかる、朝は大学に行くとメッセージがありました。とりあえず、安心しました。
「安心した--- 近いうちに近くのお風呂屋さんに行こう。体冷やすのが良くないよ。シャワーばっかりではなくてたまには湯船につかってゆっくり体温めないと。ママも一人だとシャワーで済ますから、お風呂行こう。」
「うん。」
6か月の時に熱性けいれんで救急車で病院にいったことを朝の通勤電話の中でぼんやり思い出しました。病院に着いた時には心停止していましたが、ほどなく心臓は動き出しましたけど、その間数分だったでしょうか、差し出された書類には手が震えて記入できませんでした。20年前のこと。

痛みは何かを知らせる兆候です。お腹が痛いのは悲鳴を上げている臓器がお腹のどこかにいることで、その臓器が調子が悪い、助けてと信号をおくっているわけです。我慢をするのも限界がありますし、これ以上我慢したらいけないという分岐点で判断する、行動するのも、自分に優しくあることと自分の管理をキチンとすることであることを娘は学んだでしょう。

痛みは放置しない、痛みは何かを知らせるため

心が痛くなることも、体の痛みと同様、放置しておくのはよくないでしょう。急性盲腸のように、痛みを我慢しすぎて臓器が破裂して厄介なオペとなる、よりリスクの高い事態に陥る、命の危険までにもさらされることになるように、心の痛みも放置して痛みを我慢しすぎていると厄介な事態と発展してしまうものです。痛みを逃すことではなく、痛みを根本から治療することが必須なのでしょう。痛みの原因がなんであるかを突き止めることが、娘の腹痛の対処法の第一歩でしたが、心の痛みの場合,大抵の場合その痛みの原因は自分が一番わかっていることでしょう。要はその根本原因を直視して見据えて受け止めることが対処法の第一歩というところでしょうか。この心の痛み、澱みはどこから来るのか、自分でも止められないけど不機嫌、不安定、心が沈む...どうしてかは自分でわかっているはずです。痛みそのものを受け止めるのには自分に優しくなる必要もあります。今自分は苦しいんだね、と。

人魚姫みたいに泡になって消えたいと思える日々があり、立ち直るというよりもこれからを考えるのが辛くて逃げていた時期がありました。それでも仕事はしていましたけど、心は死んでいました。何をどう指針にして生きていいのか、これからどうすればいいのかわからなかったからです。むしろ、これからどうしたいのかさえわからなくなっていました。痛みが治まる瞬間があっても津波のように押し寄せてきて時に耐えられなくなって...というのを繰り返している中で、自分に向かい合うことを避けていたように思います。静かにしていれば、津波はさっていきますから、じっと静かに去っていくのを待っていました。日々の流れに身を置くことで流されて、時が癒してくれると期待もしつつ、痛みに向かい合うことなく過ごしていた時期がありました。これも対処方の一つだと信じてね。

Pain is there to tell us something. このセリフをある映画の中で聞いた時、心に響いてきました。折しも、娘から病院に行ってお薬もらって飲んだよ、と連絡が入った夜でした。月経困難症、生理前にもなる排卵通とストレスからくる腹痛という診断でした。いわゆるPMS、私にも経験があります。大昔、ちょっとしたミス続きで顔色も悪かった朝、アメリカ人だった当時のボスから”Are you PMS today? Go home and get some rest."と言われたことがあります。若くてまだ今のように面の皮が厚くなかった小娘時代ですから、超恥ずかしいのと情けないのとで泣きべそをかいてしまいそうなのを必死にこらえていたら、"Everybody has a bad day. You'd better to take a day off before it gets worse. Do not worry..." そう言って理解暖かく接してくれました。優しくしてもらったことで、どれだけ心が救われたか、それからお休みをいただいたことで体もどれだけ休めたか、よく覚えています。

Pain is there to make us grow. 痛みは何かを知らせるためですが、その痛みから学べることもあると思います。

さて、お風呂行こうって約束した日ですが、インターンをしている会社にまだいるとのこと、夜までやっているフツーの町の銭湯ですが、30分しかいられないのも、夜遅くいくのも、何より一人で行くのもいやですしね、今晩は見送ります。

2日前には腹痛で息ができないと不安気に電話してきた娘が今日は夜遅くまでインターンとして頑張っています。病院に行って原因が分かって医師の処方したくするを飲んで働いています。そのことだけで十分今は心が温まりました。一人でもお風呂入れて入ろうか、とりあえず今晩はシャワーで済ませて明日にでも一人で銭湯に行ってみようか… 自分のために自分に優しくなることも時に大事なこと、甘やかすことも必要なことは分かっていますが、そのメリハリはまだコツをつかんでいないように思います。

痛みの経験は今の私に成長するのに必要だったと思います。そのおかげで今があると今は思えます。まだまだ格闘することもありますが、人生投げ出してはいられません。Pain is there to tell us something, and to make us grow. 近いうちに娘とお風呂(できれば温泉~スーパー銭湯みたいなところでもいい)にいければいいなと思います。